タヌキの油

子どもの頃、急な発熱ややけどをした時に必ず冷蔵庫から出てくるのが、小瓶に入った黄色のドロッとした固まり、「タヌキの油」と呼ばれるものだ。
てっきり、これは「タヌキの油」という名前の商品だと思っていたが、本当にタヌキから取り出した油であることを知ったのは大人になってからのことだ。
使い方は簡単!熱が出た時はお箸ですくったものを口に入れ、後はお湯で流し込む。
やけどの場合は直接患部に塗る。
なんでも、タヌキの皮下脂肪からできているそうで、冬場の脂肪を蓄えたタヌキから作られるそう。
うちの家も詳しい入手経路は不明だが、親戚の知り合いの知り合いみたいな形で、山の猟師さんから届く仕組みだ。
試しに祖母に聞いてみると、「あ~、あれは美良布のおんちゃんからよ~。」と言うだけで、それ以上詳しい情報は、何度聞いても得られていない。

(ペンネーム:つねづね)